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課題

ベネフィット決定時の留意点 老舗の製靴メーカーに勤めています。
元々メンズに特化した革靴の専門ブランドを展開していたのですが、この度、女性向けの新しいブランドも始めることになりました。
つきましては、女性誌などのメディアに向けてPRするにあたり、ベネフィットを固めておきたいのですが、ベネフィットを決定する際に留意するポイントはあるでしょうか。
老舗製靴メーカー


まずはベネフィットについておさらいしましょう。

ベネフィットとは、ある商品を使用することで消費者が得られる効果や効用、もしくは感情を指します。機能的なベネフィットがあり、それをもとに情緒的なベネフィットを得ることが一般的です。例えば化粧品であれば「綺麗になれる」ことによって「自信がつく」などが、飲料であれば「喉を潤す」ことによって「リフレッシュできる」がベネフィットの一例です。

それでは、上記を踏まえ今回の事例について考えてみましょう。

ご相談では、元々メンズに特化したブランドを展開しているところに、新たに女性向けの新しいブランドも始めるということでしたが、この場合ベネフィットを決定する上で押さえておきたいポイントが2つあります。

①既存ブランドとの関係性

今回新たに提案する女性向けブランドについて、例えば既存のメンズブランドと同じブランドの傘下にレディースラインを展開するのか、全く別のブランドとして売り出すのかでベネフィットについて留意すべき点が異なります。

前者の場合は、ブランドとして、後者の場合はご相談者様がお勤めになる会社としての一貫性を実現する必要があります。

例えば、御社が「長時間歩いても足が疲れない靴づくり」にこだわっているとします。また、ご相談では、既存のメンズブランドが革靴専門ということですので、恐らくビジネスシーンを想定していると推測されるのですが、もし、同じブランドの傘下としてレディースを展開するのであれば、「長時間歩いても足が疲れない靴づくりを前提とした上で、当然レディースラインもビジネスシーンにふさわしいデザイン・仕様である必要がありますね。

その一方で、別ブランドとして展開する場合は、会社としてのこだわりである「長時間歩いても足が疲れない靴づくり」という部分を担保できれば、とりあえず問題はありません。

ただし、営業系サラリーマンにとってとても魅力的であった「長時間歩いても足が疲れない靴づくり」というポイントが、どこまで女性にとって魅力的なのかは検証する必要があります。

「足が疲れない」を大前提に、他に御社の靴づくりだからこそ女性に提供できるものはないか探ってみるのもいいかもしれません。

ちなみに、今回のご相談の場合、男性用と女性用なので、いずれの戦略をとるにせよ、同じ価値観・ニーズを持つターゲットを狙って同じポジションをとったとしてもカニバる心配がありません。

会社やブランドとしてどうありたいか理想の状態に持って行くにはどうすべきか、また、それをちゃんと理解してもらうにはどうすればいいのか、それぞれの関係性を明確にしながらより良いベネフィットを練り上げて行きましょう。

②モノ売りからコト売りへ

さて、冒頭で軽く触れたように、ベネフィットは大きく2つに分類することができます。

1つ目は、機能的ベネフィットと呼ばれるもので、先の事例に挙げた「足が疲れない」というのはまさにこれに当たります。しかし、このベネフィットだけで他の競合と比べて圧倒的に優位な立場に立てるかというと、そうではないですよね。「空気よりも軽い靴」や、「ボタン一つで自動着脱」みたいなものができれば別かもしれませんが、どの企業もある程度の技術を有する昨今において、機能の面で他と差をつけるというのは難しいことかもしれません。

では、他と差をつけるためにはどうすればいいのかというと、機能的なベネフィットからさらに一歩踏み込み、情緒的なベネフィットまで昇華させる必要があります。足が疲れないことで女性は何を得ることができますか?、どんな気持ちになりますか?この問いかけについてじっくり考えてみてください。

例えば、足が疲れにくいハイヒールがあれば、今よりおしゃれを楽しむことができるかもしれませんし、外回りのお仕事が楽しくなるかもしれませんね。

ご相談者様の会社が、実際どのような靴作りに対するこだわりや技術を持っているのかは分かりませんが、「どんな靴が作れるのか」ではなく、「その靴でどんなことが実現できるのか」という視点からベネフィットを固めてみてはいかがでしょうか。