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課題

上位機種・下位機種間のカニバリゼーション 掃除機を開発している家電メーカーです。
高級な外観と高性能を売りにした上位機種と、シンプルな外観で基本性能が備わった下位機種の間でカニバリが起きています。
このような場合、どのようにカニバリを避けるべきでしょうか。
そもそも避けるべきなのでしょうか?
家電メーカー


上位機種と下位機種の間でカニバリが起きているが、避けるべきか、避けるとすればどうすべきかとのご質問ですね。

お答えするにあたり、まず上位機種と下位機種のどちらをメインに売りたいのかを決めておく必要があります。
上位機種を買ってもらうための呼び水として下位機種が存在する場合や、反対に、こんなに良いものはいらないと考えさせて下位機種を買ってもらうために上位機種が存在する場合もあるからです。

最も売りたい製品が上位機種とは限らない例としては、トヨタの最上位モデル「クラウン」があります。
クラウンの1983年のキャッチコピーは「いつかはクラウン」でした。
ただ、同年の登録台数が、カローラは約27万台だったのに対してクラウンは半分以下の約10万台であったことからも、当時クラウンがトヨタで主に売れる車種だった訳ではありません。

つまり、トヨタというブランドの中での「クラウン」は、ブランドを体現しているシンボル的モデル、「フラッグシップモデル」だと言えます。
後光効果(ハロー効果)という言葉があるように、フラッグシップモデルがブランド全体に良いイメージを与え、消費者にあこがれをもってもらい、手が届く価格帯の車種を買ってもらう効果が期待できます。

また、行動経済学では極端性回避と呼ばれますが、松竹梅と3種類ある場合、一般的に消費者は真ん中の「竹」を選ぶ傾向があります。
このように、ラインナップの中のどの機種を売りたいのかによって、適した値段設定や機能が変わってくるため注意が必要です。

以上の点を踏まえた上で、そもそもカニバリを避けるべきか、とのご質問にお答えしていきます。

まず、ある程度カニバリが発生するのは致し方ない部分もあります
なぜかというと、同じブランド内で一貫性を保っている以上ターゲットは似通ってきますし、ユーザー層を増やしたいからといって全く異なる商品を出してしまうとブランドに一貫性がなくなってしまうからです。

一般的には上位商品の方が利益が大きいという前提に立てば、下位機種から上位機種に流れるカニバリに関しては悲観的になる必要はないでしょう。
ただ、上位機種から下位機種に流れている場合には問題がより大きく、カニバリの割合が高いのは嬉しくないですよね。
このカニバリを防ぐためには、ブランドの価値は一貫させつつも、なぜ上位機種が下位機種よりも上位なのか、その理由を明確にすることが大切です。

質問に挙げられている「高性能」というポイントですが、どんな機能をつけるかはメーカー側の都合なので、往々にして「消費者が求めていない高機能」というものが生まれてきます。
その結果、下位機種に消費者が流れていきかねません。

例えば、30段階で掃除機の吸引力を切り変えられます、という機能があったとして、本当に切り替えたいかというと疑問が残りますよね。
なんでもかんでも高機能をつけるというのではなく、消費者が欲するものであることが大切です。

売りたい機種を明確にした上で、消費者心理に合った値段・機能をつけるよう心がけてみてください。