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課題

ブランドの定義を作る際に気をつけること 家電メーカーのマーケティング部に所属しています。
最近、エクイティピラミッドを作ろうという機運が出てきたので、作成方法について教えていただきたいです。
特に、マーケティング部内の議論だけで完結できるのか、それとも消費者や社員へのインタビューが必要なのかがわかりません。インタビューを行う場合は、理想のブランド像と消費者や社員の認識の差にどう対応するべきでしょうか。
家電メーカー マーケティング部


まずエクイティピラミッドの作成方法についてですが、基本的にはどう作ってもいいものです。
大まかには、自社の価値を収集し、ブランドにおいて本当に必要なものを選択し、言語化するという流れになります。 作成にとりかかる前段階としては、ブランドが目指す方向性や強みを把握していることが大切です。
ブランドをつくることは、「自分たちはこうありたい」という理想像を固めること。さらに、ブランドは一つのストーリーとして一貫性を保っている必要があるからです。
そのうえで、自分たちが持つ価値について意見を収集し、取捨選択する作業に入ります。

ご質問のなかに、インタビューは必要か?というものがありましたが、実施されることをおすすめします。
その第1の利点は、社員や消費者から意見を聞くことで、マーケティング部内だけでは気づかない価値を様々な視点から抽出することができることです。
それに実際のところ、マーケティング部の人が内部で作ったエクイティピラミッドに沿って、様々な社員が素直に行動してくれるかというと、なかなか難しいですよね。
オーナー企業のように、社長がこうだといえば社員が従うという構造も悪くはないものの、一般的には難しいものです。
つまり、実行してもらうためには、実行してもらいたい人を巻き込んでいくことが重要なのです。
このように、営業の人やお客様相談室の人など多様な社員の声を聞きとることで、自分事だと捉えてもらえるのが第2の利点です。

この段階では価値がバラバラに出てきている状態なので、ご質問にある理想のブランド像と消費者や社員の認識の差が発生していることがあります。
これをそのまま反映してしまうと訳がわからないことになってしまいますよね。
ですので、次の段階では「こういった価値があげられたけれども、ブランドの方向性と合致しているだろうか?」という議論が必要になります。

例えば、お客さん相手の小売業で、「高齢のお客さんの買った品物が重そうだから、親切で家まで運んであげた」という価値があげられたとします。
もちろん人間として良いことですが、会社の立場からも歓迎できるかというと、一概にはそうとは言えませんよね。
否定するわけではありませんが、ブランドとして目指す方向を逸脱している価値を選ぶ必要はありません

ブランドに合致する価値、合致しない価値についてそれぞれオンエクイティ・オフエクイティという言い方をしますが、それを社長やプロジェクトのチームメンバーが判断する必要があります。

判断が終われば最後に言語化の作業に入りますが、これも実は難しく、ある事例では、インターネットという言葉にカギカッコをつけるべきかどうかが議論になりました。
カギカッコの有無で、インターネットを普通名詞として捉えるのか、固有名詞と捉えるのかが異なり、その会社のインターネットという言葉の解釈に影響するからです。

ここで、注意すべき例としてあげるのは「かわいい」、「おもしろい」といった言葉です。
こういった形容詞を聞いて、皆が同じ「かわいい」「おもしろい」を想起することは稀ですよね。

エクイティピラミッドを作ってブランドを言語化することの目的は、それを見て同じ行動をとってもらうことなのに、違うものが想起されてしまうと目的が果たせません
自分たちの哲学がどう表現されうるのかを考えながら、言語化してみてください。