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課題

問題意識のヒアリング手法 製紙メーカーの商品開発部に所属しています。

この度、キッチンペーパーのシリーズを改良し新商品を企画することになりました。つきましては、今回の改良点について、日ごろ消費者が調理の際に抱いている不便さにアプローチできるものを提案したいと考えています。

そこで、できるだけ多くの消費者からグループインタビューなどで調理に関する問題意識をヒアリングすることを検討しているのですが、何か留意すべき点はあるでしょうか?
製紙メーカー商品開発部


より良い商品を提供するためにも、できるだけたくさんの消費者から意見を聞きたいというご相談者さまの気持ちはよく分かります。
しかしながら、グループインタビューなどで話題に出る困りごとは現時点で消費者の頭の中で言語化・意識化されたものであり、このような困り事については、既に何らかの解決策があると考える方が妥当です。

もし今回改良を加える点を、他の商品にはないご相談者さまの商品の強みとして打ち出したいのであれば、既に消費者の意識にある困りごとよりも、消費者が日頃の生活で無意識に抱えている問題にアプローチした方がより効果的であるといえます。

そして、このような消費者の無意識をあぶり出すためには、20人のグループインタビューを実施するよりも、消費者3人の訪問調査の方が、得られる情報も多ければ、消費者の理解も深まるケースも多々あるということをおさえておきましょう。
もちろん、予算などの障壁もあるかと思いますが、そこをクリアできるのであれば、実際に消費者が調理している現場に訪れ、キッチンでの導線や、野菜の水切りや、揚げ物の余分な油を吸収する様子、もしくは、台所の汚れを拭き取る動作を具体的に観察することをおすすめします。

インタビューの現場では、消費者にとって当たり前すぎて言葉で説明しないこと、行動が細かすぎて説明しきれないことがたくさんあります。そういった情報をあえて言葉で得ようとするよりも、目で見る方がずっと気づきが多くなります

また、ある消費者により語られることは、全てがその消費者のものさしが基準となっています。例えば、「私はキレイ好き」と語る消費者がいても、語られる内容はその消費者の基準の話であって、実際に他の人と比べてどれだけ台所の汚れを取り除けているのかなど、具体的なところはなかなか理解しづらいものです。

消費者がどんな人で、商品がどういう環境で、いつ、どんな手順で使われているのか、実際の生活や行動をみながら総合的に教えてもらうことで、インタビュー以上に、なぜそんな行動や発言をするのか?といった違和感が見つかるはずです。
そのような違和感をたくさん集めて、商品開発のタネとして使うほうが有用なんじゃないかと思います。

また、今回のような消費者の無意識についての訪問調査を行う際は、できる限りインタビューフローの全くない非構造化インタビューを行うことをおすすめします。
そもそも、消費者の中で無意識なことを、商品開発サイドが既に意識化しているということはまずないですし、意識のないものについてそれを導くためのシナリオを書くことなんてできないですよね。