ページ読み込み中

ギャップを知るということ


消費者が持つ商品に対するイメージと、商品を提供する側が持つ商品へのイメージは、しばしば相違が起こります。そこで生じているイメージにどんなギャップが生じているのか、まずは知ることが大事です。なぜなら、消費者が持つ商品イメージと、商品を提供する側が持つ商品イメージが一致することによって、強いブランド力を育てていくことができるからです。

例えば、皆さんは「伝統工芸品」と聞くとどんなイメージを持ちますか?私は、「普段使いは難しそう」「活用範囲が狭そう」というイメージを持っていました。ところが、先日「通助」というサイトでの取材で、伝統工芸品の有馬籠を製造されている株式会社有馬籠くつわ(以下、「有馬籠くつわ」と略)にお伺いしたのですが、伝統工芸品に対するイメージが変わりました。有馬籠くつわでは、モダンで洗練された商品がたくさん造られていたのです。そしてお話をお伺いしていると、「普段使いは難しそう」どころか、伝統工芸品は日本の気候や風土に合わせて造られているということに気付かされました。

例えば、竹のお弁当箱は直接(サランラップなどで包まずに)ご飯に詰めることで、湿度の高い日本の夏場でもご飯は腐りにくくなります。竹の編み方によって、風通しが良くなっている構造をしているためです。私のように、「日常生活で使うには、伝統工芸品は使いづらい」という勝手なイメージを持ってしまっていた場合、伝統工芸品であるというだけで、竹のお弁当箱は選択肢にすらなかったと思います。

消費者が持っている商品に対するイメージと、提供する側が持つ商品イメージのギャップは、上記のような伝統工芸品といった事例だけではありません。皆さんが提供している商品にも、企業側が想定しているイメージと消費者が抱いている実際のイメージとで乖離が生じている可能性は十分考えられます。そういったイメージの相違がある場合に、消費者の認識を変えていくべきなのか、そもそも提供する側の商品イメージを、消費者イメージに寄せていくのかでは、消費者に対するコミュニケーション方法は大きく変わってくるでしょう。

上記のような有馬籠の例であれば、消費者の認識を変えていくコミュニケーションが必要となります。「日常生活では使いづらい伝統工芸品」から「日本の気候や風土に合わせて造られているので、日常生活でこそ使う価値がある」というメッセージを消費者に伝える必要があると考えられるでしょう。実際、有馬籠くつわではメディアの取材を通して、日常生活でも使いやすい商品としてアピールされています。

消費者が抱いているそもそもの商品イメージを把握するということで、消費者に対するより効果的なコミュニケーションをとることが可能となります。そして、双方の商品に対するイメージに相違がない状態になることによって、強いブランドを育てていくことにも繋がっていきます。