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話を聴くということ


ホジョセン島野です。 お立ち寄りいただきありがとうございます。

先日、「言葉の意味を理解する」ということで記事をアップさせていただきました。 消費者インタビューで対象者の方が発する言葉の意味を理解しなければ、全く違う方向へ進んでしまう危険性があります。

では、どのように消費者(対象者)の方が発言する言葉の意味を理解すればよいのでしょうか?
過去に消費者の方に色々なインタビューをしましたが、よく「言葉」の意味を理解する難しさを痛感していました。

例えば「やわらかい」という対象者の感想に対して
ー やわらかいってどんな感じですか?
ー (問いの答えに対して)それはどんな感じ? →何度か繰り返す
ー 他に例えて言えば?
ー 擬音で表現するなら?
ー お子さんだとどういう風に表現すると思いますか?
ー 他の言葉に近いものがありますか?

矢継ぎ早に質問を繰り返していたら「もう出ません。ごめんなさい」と対象者の方に言われたことがありました。
対象者の方にとっては、普段考えたこともないようなことを、見ず知らずのモデレーターから根掘り葉掘り聞かれ、もう勘弁してくれと思われたことでしょう。

この時の私は対象者の方から答えを求めてしまっていたのかもしれません。深く聞いているつもりが「それであってるの?」「本当にそれで大丈夫?」という気持ちが対象者の方に伝わってしまったのでしょうね。
果たして、そこまでして出てきた内容は対象者が本当に思っていたことなのでしょうか?きっと私に言わされてしまったという気持ちになったに違いなく、これでは誘導尋問です。インタビューで一番やってはいけないことです。

しかし、聞き手側は深く聞かないと、その対象者の方が言われる言葉の意味を理解することはできないし、どうしたらいいのか???

まずはモデレーターの心構え。 
対象者の方のお話をきく。この場合のきくは「聞く」と「聴く」どちらなのでしょう?
「聞く」(Hear)は自然と耳に入ってくる、「聴く」(listen)は耳を傾け注意してきく。そう「対象者の方のお話を聴く」と書かなければなりませんね。
「聴」という字を使った言葉に「傾聴」があります。以前少しだけカウンセラーの勉強をした時に、テキストにやたらと出てきた言葉です。
「傾聴」とは耳を傾けて熱心に聴く。無言で話を聴くのではありません。話し手が安心して話せる笑顔で、相手の表情をよくみながら「はい」「ええ」「そうですね」など相槌をうちながら、うなづきながら、相手が言った言葉を繰り返したり、気持ちを汲み取る言葉を伝えながら聴いていく。これがカウンセラー養成講座テキストに載っている傾聴です。モデレーターもこのくらいの気持ちで対象者の方と接しなければなりませんね。

そしてインタビュー中に使っていた道具として簡単に手に入るもの、ポストイットです。
色々と伺っていると対象者の方は自分が何を言ったか忘れてることもあります。 対象者の方の感想は全てポストイット1枚1枚に言葉を書いてもらいながら、話してもらうこと。書いてもらったポストイットを大きな紙に貼ってもらい、これとこれは一緒なのか、これは消去していいのかなど対象者の方の頭の中を一緒に整理しながら対象者の方の反応を理解することができます。
対象者の方もただ話すだけでなく、書くという行動が入ると単純作業でなくなり、モデレーターと一緒に作業することによって達成感が得られるかもしれませんね。
行動心理学上でも、書くという行動はストレスを解消し、脳を活性化させることができるという研究結果もあります。

インタビューの場は毎回が勉強です。基本的なことを抑えつつ、新しいツールを適切であればどんどん取り入れ、対象者の方も「話してて楽しい」と思えるインタビューをしていきたいですね。

家族、友達、両親、会社の上司、取引先…、話しを聴くという行動に対して、皆様は何か心がけていることはありますか?そこに消費者インタビューのヒントがあるかもしれません。