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課題

訪問調査に参加する時に知っておくと良いこと 家庭用消費財を扱うメーカーで商品開発に携わっています。この度、とある商品ブランドのターゲットを理解するために訪問調査を実施することにしました。実は訪問調査に参加するのは今回が初めてなのですが、準備しておくべきこと、当日気をつけるべきことなどはありますか? 家庭用消費財メーカー


ご相談では、 初めて訪問調査に参加されるとのことですが、お宅を訪問すると、インタビュールームでは分からない細かいところまで、見て理解することができます。

なぜなら、インタビュールームでは、ある意味なんでも言えてしまうので、「本当のところはどうなのか」を知る術はありませんが、訪問調査をすれば、愛用しているものであったり、所有している服や雑貨などを見せていただくことも可能なので、対象者の生活丸ごとが一目瞭然になります。

訪問調査とは、人となりや生活を理解するにはとても有効な手法なんですね。

以下に訪問調査の時に留意したいポイントについてまとめておいたので、ぜひ参考にしてください。

1. 仮説をしっかり立てておこう

訪問調査前の準備ですが、まずは仮説を充実させておくことが重要です。この調査の目的はターゲットを深く理解するということなので、たたき台となるターゲットを事前に準備しておかなくてはなりません。

もちろん、対象者をリクルーティングする時点でターゲット像が必要になると思うので、ある程度の仮説は持たれているとは思いますが、プロファイル的なことだけでなく、「人となり」の部分である趣味趣向や、購入行動、情報感度、その商品に対する思い入れや愛着などについて、社内の皆さんと一緒に話しておくとよいでしょう。

但し、調査が始まれば、全てが立てた仮説通りに行くとは限りません。必要に応じて、一度立てた仮説を壊して、また立てて…を繰り返し、ターゲットをより深く、そして正しく理解していくことになります。

2. インタビューで必要な小物があれば準備しておこう

こちらは、モデレーターさんとも要相談ではあるのですが、何についてどのように話してもらうかによって、小物の準備が必要になることがあります。

紙やペン、ポストイットや時には写真や絵など、どんな聞き方をすれば本当に欲しい情報が得られるのか、インタビューの内容を想定し、必要であれば小物を準備しましょう。

3. 仮説は持ちながらもゼロベースで聞こう

当日は、とにかく真っ白な気持ちでのぞむことです。

仮説は立てるには立てましたが、一度立てた仮説が本当に正しいかどうかは、その段階では全くわかりませんので、ゼロスタートで理解をしていきましょう。

基本的にはモデレーターさんが聞いてくださると思いますが、そこに必要があれば、追加質問することもできるので、分からないことは質問を入れてもらいましょう。また、質問を入れる際には出来る限り誘導しないような質問を心がけると良いでしょう。

4. とにかくそのままメモをとってから解釈しよう

特に初めて訪問調査に参加したならば、聞いたこと見たことをそのままメモに書き留めるようにしましょう。話を聞きながら、仮説を壊して構築する作業を行なっていくので、もちろん解釈をしながら話を聞くことが大切なのですが、基本としては、とにかく全てをメモすることです。

そうすることで、インタビュー後にターゲット像を再作成していく段階で、実際に対象者の方が語った言葉ベースで議論を行うことができます。

もちろん、人間誰しも真実しか語らないわけではありませんので、自身の考えとは違うことを話す可能性もあります。どんな表情で話していたのか、2度目に同じような質問をした時に整合性がとれていたのかなど、注意して聞くことも同時に大切なことです。

この辺りで正しく理解できるのが訪問調査の最大の強みだとも言えます。口頭では何とでも言えても、家の中の様子を見れば実際の生活の様子を隠しきることはなかなかできません。性格や考え方、日々の行動まで見えてしまうのです。表情や表現方法、そして家の中の様子やそれに対しての受け答えの内容などによって、本質的に思っていること考えていることを理解するように心がけましょう。

5. ターゲットではない人からも学んでしまおう

残念なことに、リクルーティングをする段階で、本当に話を聞きたかった対象者ではない人を呼んでしまうこともあります。例えば仮説が不十分だったり、仮説に間違いがあった場合にこうした事態が起こりやすいです。

ただ今回の場合で考えると、ターゲットではない人に話を聞いてしまった場合でも、ターゲットとそうでない人にどんな差異があるのか、なぜその人はターゲットにはなり得ないのか、本当にターゲットから外していいのか…など、議論を深めるのに非常に良いサンプルになる可能性があります。

時には差異を知るために、あえてターゲット外の方をお呼びして話を聞くという手段をとることがあるくらいです。

調査費用を無駄にすることは避けなければいけませんが、もし想定外の対象者から話を聞くことになっても、全てのインタビューを活かせるように工夫することも必要だと思います。