ページ読み込み中

豊岡市役所大交流課 インバウンド観光受入体制整備計画立案


豊岡市役所 谷口 雄彦様(写真右) 坂本 裕介様(写真左)豊岡市役所大交流課
谷口 雄彦様(写真右)坂本 裕介様(写真左)。

豊岡市

有数の温泉地である城崎温泉のある兵庫県豊岡市。ミシュランガイドにも掲載され、外国人観光客が年々増加している、大変勢いのある自治体です。

ご利用いただいているサービス

  1. プロジェクト型コンサルティングサービス

インタビュー

−豊岡市の外国人観光客受入体制整備計画のお仕事をさせていただいたのですが、いかがでしたか?

豊岡市大交流課 谷口 雄彦 課長(以下 谷口課長)

自分たちが想定した受入体制整備計画の、想像の外にあるものも含めて包括的にまとめてもらったと思っています。漠然と「ソフト・ハード両面で提案してほしい」とは伝えていたものの、出てきた提案ははっきり言って斬新で、想定外でした。国が出しているガイドラインからそのまま抜き出して提案するのではなく、豊岡の現状と目指すべき方向に非常に合致したものになったと思います。『2020年に豊岡市年間外国人宿泊者数を10万人にする』という豊岡市のかかげる目標があり、我々もそれに向かって様々な施策、プロモーションを日々行なっているのですが、今回の計画作成過程の中で全てが繋がったように感じました。我々が漠然と感じ、暗黙知としてもっていたことに横串がささって整理されて出てきたような感じです。

例えば外国人観光客のターゲットを深堀するための定性調査を実施してもらったのですが、彼らの何人もが口にした「Hideawayな町」という言葉。実はプロモーションで以前から使っていたのですが、今までの方向が間違っていなかったこと、そして目指すべき地点が明確になってきたと思います。

豊岡市大交流課 坂本 裕介さん (当時)

今回の計画作成は、あくまで豊岡に訪問いただいた外国人観光客の受入体制の整備計画でした。それにも拘らず、豊岡の現状の「インバウンドの集客モデル」がどうなっているかという問いからスタートし、そこから、この受入体制整備計画の本質的な目的は「豊岡を訪れた外国人観光客に良い口コミを残してもらい、新たな観光客を連れてきてもらうことだ」と導き出されたことには、驚きました。外国人観光客の集客の部分と受入体制整備のプロジェクトは我々の中では正直なところリンクしていなかったんです。豊岡は外国人観光客数は伸びてきており、他地域に比べて外国人観光客の口コミが多く、さらに良質な口コミを増やすことでさらなる集客を目指すべきという話でした。

口コミはコントロールできないだけにインパクトがありますから、観光客自身の体験から生じる認識が豊岡ブランドであり、コンセプトになるので、その基準で町を整備すべきという視点には納得感がありました。外国人観光客の不満・不便を解消するという基本的な受入体制整備計画の方向性がありながら、最初の提案の「外国人観光客にとって、全てを快適にしてしまって良いのか、『快適な不便と不快な不便』があるはずで、英語満載の快適な町にしてしまったら、豊岡の魅力は消滅する」という仮説も逆説的で面白いですよね。この提案もそうなのですが、前提をゼロベースで一度覆して分析や提案してもらえるのが、自分たちにはない視点でありがたかったです。

ターゲットの外国人観光客が心底豊岡を楽しんでもらうために策定する受入体制整備計画ですよね、という発想が良かった。そして、結果としてインバウンドの集客戦略と、受入体制整備計画がひとつの軸でまとまるとは、プロジェクト開始前にはまったく予想していませんでした。

谷口課長

今回のプロジェクトを一緒に進める中で、仕事の進め方についても学ぶべきことがありました。物事の整理の仕方、見方、考え方、具体化抽象化の方法などが確立されていて、任せている方からみても安心感がありました。

デプスインタビューを提案されたことがあったのですが「N(サンプル数)=6くらい聞けばわかるんですよ〜。ちゃんと調査設計できていれば、途中からはデジャブな感じになるんですよ」なんて言われてたんですが(実際はもう少し多いサンプル数で実施)、正直なところ少ないサンプルで何がわかるんだと信用していなかったんです(笑)。

ですが…まさしくその通りになって、ターゲットにすべき外国人観光客が非常に具体的に見えるようになりました。捨てるものを捨て、残すところをまとめてくるという抽象化のプロセスは、実はすごく難しいと思うのですが、とてもコンパクトで不足のない形でまとめてもらいました。今では定性調査の重要性を感じています。我々も今まで何度か定量調査を行なっているのですが、定量調査からは課題が見えづらいんですよね。ごく当然のことが改めてわかったり、もしくはなんでそういう結果なのかわからなかったり、と施策に結びつけるのが難しいという印象を持っています。定性調査は仮説の磨き上げで、定量調査は仮説の検証に使うものだと、今回の調査でさらに実感しました。

褒めてばかりになってしまいますが…(笑)、ワークショップ設計・運営にも感心しました。市民の方々と「川柳を作る」なんてこともしたんですが…川柳ですよ、大丈夫かなと思ったんですよ(笑)。ところが、どんどん意見が出て盛り上がりました。参加された市民の方々が、「こんなに面白いのだったらいつでも来るよ!」と帰られたのが嬉しかったです。市民の方々と楽しみながら考えて、それが計画に反映されるというポジティブな状況を作り出せたかなと思っています。

実はこのプロジェクトはこれからが大変なんですよね。絵に描いた餅にならないように、これらの計画を実行して、外国人観光客が増えたね、となったら成功です。実際には市民の方々の力が非常に重要なので、皆さんにいかに理解してもらうか各観光地とともに前に進めていきたいと思っています。


                                                        

(聞き手:高橋)