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決定木 vs 因子クラスター〜セグメンテーションのお話(1)


みなさん、セグメンテーション持ってますかー! STP(Segmentation-Targeting-Positioning)なんて言葉もあるので、セグメンテーションが重要だという認識は、近年ややマーケティング的に遅れていた日系企業さんにまで浸透してきました。

セグメンテーションとは、マーケットを細分化すること。つまり分けたらいいのですね。弊社では基本的におすすめしていませんが、性別x年代で切り分けるのも立派なセグメンテーションの一つです。

さて、そんなセグメンテーションですが、ある程度しっかりと根拠だって分けようとすると手法としてはいくつかに分けられます。その代表的な手法が、決定木と因子分析+クラスター分析です。

ところがですね、この決定木と因子・クラスターですが、仲が悪い。手法の相性が悪いという意味ではなくて、それぞれを推奨する人同士の仲が悪い。それだけ、強いところ、弱いところがはっきりとしている手法だといえます。

2回に分けて、統計的な解説ではなくて、ざっくりとそれぞれのいいところ、よくないところをおさらいしてみたいと思います。詳細を知りたい方は、どっかで調べてください。

まず決定木 – decision tree – ですが、ざっくりというと、ある特定の行動(じゃなくてもいいんですが、例えば購入・非購入)をとっている人の割合が最大化されるようなカタチで人をどんどん分類していく手法になります。「教師あり学習」でもあるこの統計手法は、「正解」データに対してわけわけしていく手法になるので、その過程も含めて非常に説明力が高く見えます。たとえば、ある商品Aを最も購入しやすい人は、30代の女性で、ドラえもんが好きな人、といったことがわかります。

DecisionTree

決定木は、販促活動により向いている手法です。購入率が最も高い人を抽出してくれますので、インターネットで閉じているビジネスのように属性を絞り込んでリーチできたりすると便利ではあります。今すぐ売上を上げたい、超短期的に売上のブーストが欲しい時には、決定木により抽出されたセグメントに対してアプローチできるのであれば、非常に効果的です。

一方、ブランドづくりには本当に向いていません。なぜかというと、ブランドとして大切な消費者=現購入者とは限らないからです。弊社が消費者のターゲットについてお話させていただくときに常に触れるのですが、マーケットには、「非傾聴ターゲット」という人たちが存在します。どんな人かというと、「買ってくれるけど、その人たちの言うことを参考にしてブランドを作ってはいけない人たち」です。買わないでくれとは言わなくてもいいのですが、話を聞いてはいけないんです。機嫌を損ねないように無視しないといけない。典型的には、日用雑貨系における男性ユーザーなんかが当てはまることが多いかもしれません。

ですが、この決定木、往々にして非傾聴ターゲットも含めてしまうんですよね。そうなると、いらん声が混ざってしまう。買ってくれてもいいけど、話は聞かないという人を抽出できない、というブランド作りにおいて大きなディスアドバンテージとなってしまいます。男女、くらいで非傾聴ターゲットが分かれるんでしたら最初から男性を抜いておけばいいのですが、そう単純なケースは稀です。

同じように、現在はブランドの発信するメッセージが届いていないから購入していないけれども、ブランドとして非常に大切な人ってのがいます。そういう人を決定木であぶり出していくのは、被説明変数の選択からしてすごく難しい、というのが現状です。

インターネットで閉じるビジネスをしている方(=別途お話する因子クラスター系に多い価値観ベースのセグメンテーションよりもリーチしやすいです)、豊富な属性データを持っている方、ブランド上のターゲットは別途定義しつつ、短期的な売上を稼ぎに走りたい方におすすめの手法と言えるかもしれませんね。

次回は、因子クラスターのお話を。