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正しい崖からの突き落とし方(前編)


崖から突き落とす、という表現を僕はよく使います。といっても僕が考えた表現ではなく、以前の職場で使われておりそれ以来気に入って使っています。とにかく自分で考えて行動せざるを得ない状況を意図的に作りだして任せてみる、といったイメージです。もちろん、しっかりと命綱は握っておいてあげるのですが、それを落とされた人には見せないようにします。

崖から突き落としてみると、意外とみなさん這い上がってきます。新入社員だろうがベテラン社員だろうが、もがきながら登ってきます。もがくってものすごく大事なことで、もがきにもがいた末に達成したことは、その人の血肉となって一回り大きくしてくれるように感じています。

崖から突き落とすときに注意しないといけないこともいくつかあって、

  1. 本人と周りに崖から突き落とすという宣言をする。
  2. 小さい失敗が許されるが、重要な仕事で行う。
  3. 取り返しがつかなくなる直前まで放置する。
  4. 周りが余計なことをしないようにコントロールする。
  5. 一方で、チームメンバー間の助けあい文化を醸成する。

といったことを意識するようにしています。

本人と周りに崖から突き落とすという宣言をする。

これは非常に重要なステップで、これをしないと「いつか助けてくれる」という甘えがどこかに残ってしまいます。また、周りも仕事を完了させることを最優先してしまい、スタッフの成長の機会を奪うことになってしまいます。

小さい失敗が許されるが、重要な仕事で行う。

もちろん、仕事の完了であったり成果を出すことは非常に大切なことなのですが、崖から突き落とす最大の目的は、組織文化に「成長」を根付かせることと、当人の成長を促進させることにあります。必ずしも仕事がオンタイムに完了しきちんとした成果が出ているからといって、満足できるわけではないのです。もちろん、それはそれで嬉しいのですが。

したがって、崖から突き落とす仕事に関しては、時間的に余裕があり、多少迷走しても大勢に影響が及びにくい仕事を選ぶことにします。そうしないと、じっくりと取り組んでもらうことができなくなり、貴重な体験である「悩む」ということができなくなってしまいます。

同時に、重要な仕事で崖から突き落とす必要があります。これは這い上がってきたときの本人の自信にもつながりますし、モチベーションの維持や人々の注目も得られるから、という非常に情緒面の理由だけではなく、引くに引けないから登らざるをえない、という実利的な理由も含まれています。

長くなったので、次回に続けることにします。